コラムColumn

書筆

2024.8.01

歴史ある(株)五大洲が創り出す「菊水」

初心者の方から経験者の方まで、ぜひお手にとってお試しくださいませ。

今回ご紹介する書筆は、明治時代から続く創業149年の(株)五大洲で作られている小筆「菊水」です。
軸は黒塗で細く美しく、長さもあり安定感があります。

穂は馬、鹿、玉毛（猫）からできています。
馬、鹿は馴染みがありますが、玉毛といえばピンとこない方も多いでしょう。
玉毛は柔らかく粘るような弾力があり、墨の含みが良い特徴があります。毛先近くが玉のように膨らんでいることから、玉毛と呼ばれています。
玉毛だけでつくられた小筆は、しなやかでコントロールが効き、鋭くまとまります。その為、綺麗な細い線が書きやすく墨含みも良いので面相筆にも使われています。

玉毛については、過去のコラムからもご覧いただけます。

「玉毛」のコラムはコチラから >>

部位によって毛の特徴が大きく異なる馬の毛、毛の根本が空洞になっていて墨含みのよい鹿の毛、そして玉毛で作られた「菊水」は小ぶりの穂先ながら、馬、鹿、玉毛のそれぞれの良さから程良い墨の含みによって、柔軟性がありながらまとまりあるしなやかな線を生み出し、美しい書を表現することができます。
そのため、かなと常用漢字に最適であります。